様々なクラシックギター弦が売られており、このサイトでも紹介していますが、自分でもあまりにも記事が多すぎることもあり、どう選んでいいのか難しいと感じます。弦を変えてみたいけどどれにしたらいいのかとっかかりがわからないという人や初心者の方向けに選び方のガイドを書いてみたいと思います。
この記事ではあまり入手性の良くない弦やマニアックな弦、高級な弦は省いています。そういった弦も知りたい場合は以下の記事を参照ください:
他にも初心者向けの記事があります。以下のページにまとめてあります。
https://cooksealphoto.com/%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%b7%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%ae%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%92%e5%a7%8b%e3%82%81%e3%81%9f%e3%81%84%e5%88%9d%e5%bf%83%e8%80%85%e3%81%ae%e6%96%b9%e3%81%b8/
まずはプロアルテのノーマルテンション
何を試していいかわからない人や初心者の人にまずおすすめなのがダダリオのプロアルテ ノーマルテンション(EJ45)です。
この弦、何がいいかというと、以下の4点だと思います。
- 品質が高い: 音程が狂いがちなクラシックギター弦の中で高い精度を誇っている
- 音にそれほど特徴がない: この弦の音をクラシックギターのリファレンス的な音とする人も多く、まずはこれを試して不満なところを探すのがいいかと思います
- それなりに安い: プロも使っている弦ですがそれなりに安いです
- どこでも売っている: クラシックギター専門店でなくても楽器屋なら大抵売っています
まずはこの弦を試し、この弦に対して自分がどう思ったか分析してみてください。
特に不満がないようならこの弦を使い続ければいいと思います。
音は良いけど張りが、という人にはテンションの低いライトテンションとテンションの高いハードテンションがあります。
プロアルテのハードは割とどこでも売っていますが、ライトはそれなりに専門性が高い店に行かないと売っていないかもしれません。ネット通販が無難です。
太くて甘い音がほしければオーガスチン
プロアルテを使ってみて、キンキンした音がするとか、音が細いと感じた人にはオーガスチンがおすすめです。オーガスチンにもいろいろありますが、まずは赤(レッド)を使ってみるのがいいかと思います:
オーガスチンは初めてナイロンをギター弦に使ったメーカーであり、かのセゴビアも使っていました。昔ながらのいわゆる「クラシックギターらしい」と感じる音がします。入手性も高く、楽器店ではたいてい置いてあります。
赤はテンションが中庸ですが、テンションが高いほうがいい場合は青、低いほうがいい場合は黒があります。
オーガスチンの黒、赤、青は一般的に高音弦の音程の精度がよくないといわれていますが、それを改善したリーガルやインペリアルというものもあります。これらは音程は良くなっていますが音は黒、赤、青のものとは少し違い、かつテンションも高くなっていますのでご注意ください。まずは黒、赤、青を試すのがいいかと思います。
元気のいい音が良ければサバレス
特に低音弦の音が暗い、あるいはもう少し前に出てほしいと思うのであればサバレスが良いです。
おそらく今、一番人気なのがサバレスのカンティーガシリーズです。低音弦はしなやかでよく鳴り、明るい音がします。楽器店でも比較的おいてあります。
カンティーガというのは低音弦の名前で、これに2種類の高音弦を組み合わせたものが販売されています。
最も基本的なのがナイロン弦を使ったニュークリスタルカンティーガです:
カーボン弦を使ったアリアンスカンティーガというものもあります。こちらは高音弦の音をもっとはっきりした音にしたい人にお勧めです:
3弦をカーボン、1,2弦をナイロンにしたクリエイションカンティーガというセットもあり、これはプロにもよく使われています:
これらの弦はノーマルテンションですが、張りが強いほうが良ければハイテンションのものがあります。
これらを試した後でようこそ弦の沼へ
他にもハナバッハなどの有名メーカーはありますが、現在の流行という意味ではとりあえずここで紹介した弦を試すのがいいかと思います。
そのうえでまだ他の弦が試したかったり不満点があればぜひとも当サイトの記事をご覧ください:
色々な弦を試していて思いますが、弦の世界も沼があります。カメラの世界にはレンズをとっかえひっかえする沼が、オーディオの世界にもアンプやスピーカー等をとっかえひっかえする沼があると聞きます。弦の沼は幸い価格が安いのでこれらの底なし沼に比べれば浅いです。ただし、種類はそれなりにあるので面積は広い沼かと。
弦を変えると自分の楽器の新たな魅力を引き出してくれたりします。同じ弦をずっと使い続けるのもいいですが、気分転換にもなるので、ぜひ一度試してみてください。