クラシックギターをこれから始めてみようという方に向けて、楽器を購入する際の選び方について書きたいと思います。
当サイトの初心者向け情報は以下にまとめられています。
また、楽器に関する情報は以下を参照ください。
価格帯について
まずは気になるクラシックギターの価格帯についてです。
価格帯はかなり広く、1万円以下から1,000万円くらいまであります。
安いクラシックギターと高いクラシックギターの違い
もちろ、安いのには安い理由が、高いのには高い理由があります。
使っている材料の品質、価格
まず全然違うのが使っている材料の品質とその価格です。
クラシックギターはほとんどの部品が木でできていますが、木の品質はモノによって全く違います。
クラシックギターに適している木は全体から見ると非常に少ないので、おのずと価格が高くなります。また、クラシックギター用に使う木は伐採後に年単位や10年単位で乾燥させる必要があるため、さらに価値が上がります。
また、木によっては取引が制限されていたりしますので、そういった木を使うとさらに高くなります。
作っている職人の技量
これは主に手工品に関する点ですが、作っている職人の技量によって価格が変わります。
クラシックギターと一口にいっても内部構造は全然違います。それぞれにそれぞれのノウハウがあり、完全に寸法等をコピーしても同じ音にはなりません。
高い技術を持った職人のギターは良い音がして人気が出て、価格が上がります。
海外製のギターは高い
一般的に海外製のギターは高いです。特にスペインなどのヨーロッパで作られたギターは高くなります。
これは、輸送や課税の関係や、業者がいろいろかかわってきて中間マージンが発生することによります。
一般的には同じ価格なら国内さんの方がグレードが高いといわれます。
量産品は~30万円、手工品は30万円~
一般的にクラシックギターでは、初心者向けの楽器を量産品と呼び、高級な楽器を手工品と呼びます。
といっても、完全に機械で作れる楽器などないので、量産品も人の手が入っています。
上で書いた材料の質や技量といった点で差が出ます。
現在では量産品は30万円まで、手工品は30万円からというのが相場です。
最初は安い楽器で良い
とはいえ、初心者が最初に買う楽器としては安いものを買えばいいと思います。
理由はいくつかあります。
高い楽器は弾きこなすのに技量がいる
高い楽器の方が弾きやすいかと思いきや、安い楽器の方が弾きやすい場合も多いです。
私の経験で、最初量産楽器を使っていたところ、途中で手工品を買ったら右手で弦を弾くときに歯が立たず弾かれることが多くありました。
量産楽器はある程度適当なタッチで弾いてもそれなりの音が出ますが、高い楽器になると良いタッチで弾くと素晴らしい音が出る一方で悪いタッチだといい音が出なかったり弾かれたりします。
最初から弾きづらい楽器を弾いていたのではやる気がそがれるので初心者は量産楽器の方がいいかと。
楽器の良しあしがわからない
おそらく、初心者のうちは楽器の良しあしはあまりわかりません。
上でも書いた通りいい楽器の良い音を引き出すにはある程度の技量がいります。
また、そもそも楽器ごとの差がわかりづらいかと思います。
音の好みは変わる
高い楽器になるほど音に個性が出てきます。
甘い音が出る楽器、切れのいい音が出る楽器など、楽器ごとに千差万別です。
クラシックギターを始めようと思った人はおそらくどこかでクラシックギターの音を聞いたことがきっかけかと思いますが、その音がずっと理想の音とは限りません。自分がギター弾いていると理想の「いい音」というのは刻々と変わっていきます。
なので、まずはそれほど個性のない量産楽器にして、理想の音が固まってきた時点で買えばいいかと。
続けられなかったときに被害が大きい
クラシックギターを始めてみて、それが続けばいいですが、必ずしもずっと続けられるとは限りません。
そもそも思っていたのと違うというケースもありますし、何か別の事情で続けられなくなることもあるかと思います。
少しやってみてこれならいけそうだと思うまでは高い楽器を買わない方がいいのではないかと思います。
どこで買う?どうやって選ぶ?
ネットショップをはじめ様々な購入手段がある現代において、どうやってギターを買うべきでしょうか?
できれば楽器屋で買った方がいい
クラシックギターを購入するならできれば楽器屋で買った方がいいです。
同じ楽器でも個体差がある
楽器は木でできていますので1つとして同じ楽器は存在しません。
したがって、同じ値段の同じ型番の楽器であっても、それぞれに個体差があります。
こればっかりは弾いてみないとわかりません。
自分で「選んだ」ことで愛着がわく
ネットショップで買ってしまうとメーカーの宣伝や他人の評価で選ぶことになるかと思います。
これに対して楽器屋にいくと実際にギターをいろいろと見て、弾いて、店の人の演奏を弾いて選べます。この方が自分が選んだ分愛着がわいてくるのではないでしょうか。
故障時のサポート
ギターは木でできており、壊れやすい楽器です。
そんな時はネットショップよりも実店舗の方が相談しやすいですし、修理方法もいろいろと選べるかと思います。
ネットショップで買ったものを持ち込むというのも問題ありませんが、やはりそこで買った方が持ち込みやすいかと。
他の人と一緒に行くとなおいい
自分一人で楽器を買いに行ってもいいのですが、誰かほかの人と行くとなおいいです。
楽器店に行ってギターが買いたいというと、結構大量の楽器の候補があります。一人で試奏とかしていると、何がなんだかわからなくなってきます。
また、ギターという楽器はサウンドホールが楽器の前面にあり、自分が聴いている音と前にいる人が聴いている音が違う楽器です。印象が異なる場合もありますので、他の人に前で聴いてもらうと良いです。もちろん、店員さんでもいいのですが。
価格帯は参考程度に
世の中の情報を見ていると、5万円以上のギターを買えとか、3万円以上じゃないとだめだとか言う意見もありますが、それほど気にしなくていいと思います。
予算を決めておいて、それを伝えれば店の人が適切なものを出してくれます。ちょっと予算より上の楽器も弾かせてもらってそれが良ければ予算をためればいいと思います。
とはいえ、1000円以下で買いたい!といってもそんな楽器はないと思うので、やはり3万円くらいは見込んでおいた方がいいかと思います。
オークションや中古品は要注意
オークションやリサイクルショップでもクラシックギターは買えますが、そういったところで売っている楽器は致命的な問題があるケースもあるので要注意です。
できれば初心者が一人で買わない方がいいと思います。
ネットショップで買うなら国内有名メーカーのものを
近くにクラシックギターを扱っている店がないというケースもあるかと思います。
そんな場合は国内の有名メーカーのものを買うのがお勧めです。国内メーカーであればサポートもしっかりしています。
たとえばヤマハであればCG102というモデルが一番安いモデルです:
また、最近ではKORG(コルグ)がクラシックギターの販売を開始しました。「OCCITANIA」と呼ばれるこのシリーズは、安くても表面板に単板を使っており、おすすめです。
最初はレンタルという選択肢も
ちょっと弾いてみたいな、という気持ちに対していきなり買うというのもハードルが高いので、最初はレンタルという選択肢もあります。
教室の楽器を使わせてもらう
クラシックギター教室には必ず生徒用の楽器があります。
さすがに持って帰って使わせてもらうことはできませんが、体験教室の時に楽器がなくても大丈夫です。これで楽器を買わずにクラシックギターが体験できます。
体験教室で弾かせてもらい、入会となったら楽器購入を先生に相談するのはいい手です。先生は経験豊富ですので、適切な楽器を選んでくれます。
ただし、初心者なのにやたらと高い楽器を進めてくる場合は要注意です。楽器店からバックマージンをもらうケースもあるとかないとか。。。
メーカーのレンタルサービスを使う
たとえばヤマハがクラシックギターのレンタルサービスを行っており、月に3,000円ほどから借りられます。最低利用期間には注意してください。
他にも様々な業者があるので調べてみてください。
最初の楽器は意外と大事
楽器を始めるときに買う一番最初の楽器は意外と大事です。
これが自分にとっていい楽器だと長く続けられますし、ここでこけるとすぐにやめてしまいます。
ぜひとも適当に買わずにしっかりとこだわりの一本を買ってください。