クラシックギターの右手の角度の最適な角度とは Practice-Right で矯正

Practice Rightの説明書 ギター用品
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クラシックギターを弾くときの右手の角度は色々な議論があります。しかしながら、それらは横の方向の角度ばかりで、前後方向の角度についてはあまり話題になりません。Practice-Rightはその前後方向の角度に注目して正しい角度に導いてくれる練習グッズです。

実は重要な前後(内と外)方向の角度

クラシックギター弾きにとって「右手の角度」といわれて最初に思い浮かぶのは手首を傾けるかどうかといういわゆる「横方向の角度」かと思います。

タレガやセゴビアは手首を傾けて弦に対して直角に指が動くようにしていました。現在ではどちらかというと手首をまっすぐにして弾くのが主流になっているかと思います。

しかしながら、この記事で話題にしているのはこの横方向の角度ではありません。手でおいでおいでをしたりボールを投げるときにスナップを利かせる「前後方向の角度」です。

実はこの角度もクラシックギターの演奏に重要な意味を持っています。

弦と指の角度の最適化

右手で弦を弾くときに卵を持つように指を動かすといわれますが、手首が前後方向にまっすぐになり、表面板に対して平行になっていると、爪は弦に対して表面板と平行の方向から当たることになります。

こちらの記事でも書いた通り、ギターが発音する際に重要なのは表面板に対して縦方向の振動です。

これを実現しようと思うと手首が前後方向にまっすぐではなく、少し前方向に傾いていた方が良いです。

しかしながら、あまりにも傾いてしまうと今度は指が動きづらくなってしまいます。絶妙な角度が重要です。

手首を反らさない

もう1つの重要な点は手首を反らさないようにするという点です。

手首を傾けると指が動かしづらくなるのでまっすぐの方がいいというのは最近のクラシックギターの弾き方の主流ですが、前後方向の場合は反らしてしまうと非常に指が動かしづらくなります(試してみるとよくわかります)。

また、手首がまっすぐであっても表面版に手首が非常に近い状態で弾いている人もいます。これも指が動きづらく、間違った角度です。

これが癖になっていると指がうまく動かせません。また、無理に動かすと腱鞘炎などの故障の原因になります。

自分ではわかりづらい前後方向の最適な角度

手首を傾けるか否かというのは自分で確認するのが意外と簡単です。

傾ける場合は弦に対して直角になっているか鏡で見ればいいですし、傾けない場合はまっすぐになっているか鏡で見ればわかります。

一方、前後方向は「少し傾ける」のが理想なのですが、どれくらいの角度なのかというのがわかりづらいです。まっすぐや反らせるのがだめというのはわかりますが、角度については自分で試行錯誤するしかありません。

手首の前後方向の角度を矯正するPractice-Right

この点に注目して開発されたのがPractice-Rightという練習器具です。商品名は”Right”を右(手)と正しいの2つの意味にとり、「右手の練習」と「正しい練習」という2つの意味に欠けているのでしょうね。

Practice-Rightを開発したのはStevan Jovicというギタリストで、2011年という割と最近の年に開発されました。

正しい手首の角度を広めたくて開発

この人はある日自分のギターを弾く右手を見て、この最適な角度を他の人にも伝えられたら、と思ったそうです。

そしてPractice-Rightの原型を作り、最終的に製品化までこぎつけました。

アナ・ヴィドヴィッチをはじめ様々なギタリストから認められたPractice-Right

このPractice-Rightは開発者が勝手に最適な角度を設定したのではなく、日本でも有名なアナ・ヴィドヴィッチをはじめとして様々なギタリストに認められています

また、Kelley School of BusinessのBest Idea of 2012にも認められるなど、決して色物的な道具ではありません。

実際に使って試してみた

このPractice-Rightを購入して試してみました。日本では売っていないので個人輸入です。

小さい本体にギブスのような板が入っている

右がPractice-Right、左が大きさの参考までに弦の箱です。非常に小さいです。なぜかリスのマークがトレードマークのようです。

横から見るとこんな感じです本体に硬い板が入っており、それがまっすぐではなく少し角度がついています。この角度が最適な手首の角度です。

手にはベルクロを使って巻き付けて使います。手の甲が傾いた部分に当たり、手首の前後方向の角度を制限してくれます。また、傾けすぎると手の甲との間に隙間ができるのですぐわかります。

ベルクロは調整範囲が非常に広く、手首の周囲が11.5cmから23cmまで対応します。

上か見るとこんな感じです。忍者の手甲のようですが、防御力はほとんどありません。

ギターを弾くときに邪魔にならない

実際にギターを弾くときに使うとこんな感じです。

本体は軽いですし、ベルクロも指の動きを妨げないので邪魔になりません。

また、さらっとした素材でできているのである程度暑い季節でも使えそうです。

自分の癖を確認するのに役に立つ

私の場合、幸い(残念ながら?)基本は良い角度だったようで、板が当たるという感じはありません。

しかしながら、i,m,aの指で低音弦を弾いている状態から高音弦に移るとき、腕を動かすのではなく手首を反らして弾いてしまう癖があるようで、その時に板に当たってしまいました

構えた時にはいい角度でも実際に弾いているときにはそれが崩れるということはよくあります。そこまで確認できるという意味でこのPractice-Rightはいい練習器具です。

手首を傾けていないかも確認できる

このPractice-Rightは手首の前後方向の傾きを矯正するものなので、手首の横方向の傾きに関しては特に制限はありません。

この開発者自体はまっすぐを推奨しているので、あえて傾けて音色に変化をつけることもあるのであえて自由にしているのでしょう。

しかしながら、傾けると手の甲に当たる部分のあたりが変わるので自分で傾きを気付くことができます

意図的ではなく傾いた場合にそれを検出できるので、横方向の傾きの矯正にも使えそうです。

独習者はもちろんレッスンを受けている人にも

このPractice-Rightは手首の正しい角度に自分で矯正できるという意味で画期的な練習グッズです。

その意味で独習者にはもちろんお勧めですが、レッスンを受けている人にもお勧めです。手首の横方向の傾きと違い、前後方向の傾きは先生がずっと監視しているわけにもいきません。そこを自分で間違いに気づけるので有用です。

残念ながら日本では販売していないようです。以前は代理店があったようですが、今は取り扱いをやめたようです。

要望が多ければ自分で輸入して販売したいくらいです。リクエストが多ければ考えたい。。。

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