クラシックギターをしばらく弾いていて一通り奏法はわかったけど実際に曲でその奏法を使おうと思うとうまくいかないということはよくあります。また、奏法とは関係ない疲れや緊張の悩みもあります。「本当に役立つ!クラシック・ギター練習法74」はこういった悩みに1問1答で寄り添ってくれる本です。
1つ1つの悩みに対して解決方法を提示してくれる
この本は教則本ではなく、いわば参考書的な立ち位置の本です。
読者の1つ1つの悩みに対してそれを解決するための方法を具体的に提示してくれます。
たとえば、スラーがうまくできないという悩みに対しては、スラーの弾き方から練習法、さらにはスラーに適した左手の爪の形まで解説してくれています。
また、プランティングなどの現代的なクラシックギターの奏法にも対応しており、かなり実用的です。
奏法だけでなく爪、緊張、脱力についても解説
この本の素晴らしいところは単なるクラシックギターの奏法解説にとどまっていないところです。
具体的には、
- 爪のケア、削り方、タッチ
- 脱力の方法
- 指の力の強化
- 緊張の克服方法
といったことまで解説してくれています。
普通の教本ではこういったところはあまり触れてくれず、どちらかというとプロにレッスンを受けて教えてくれるようなものです。
こういったところを解説してくれるのは特に独学者にとってはありがたいです。
現代の複数のプロクラシックギタリストが解説
この本を書いているのが複数のプロのクラシックギタリストというところもうれしいところです。
この本を書いているのは、
- 大坪純平
- 金庸太
- 斉藤松男
- 佐藤弘和
- 角圭司
- 竹内永和
- 谷川英勢
- 田辺昌央
- 垂石雅俊
- 寺田和之
- 森田綾乃
- レオナルド・ブラーボ
といった方々です。
それぞれのギタリストがそれぞれの得意なところを解説してくれています。
プロのレッスンを受けるときはたいていは一人にレッスンを受けるかと思いますが、そのプロにも得意なところと不得意なところがあるかと思います。この本ではいわばそれぞれの第1人者が解説してくれているわけで、かなり役に立ちます。
小さくて読みやすい
こういった楽器関連の解説本は楽譜と同じサイズであることが多く手に持って読みづらいことも多々あります。
この本はA5サイズになっており、小さくて読みやすいサイズです。
ちょっと読んでみようとかと思ったときに手に取りやすいのはありがたいです。
残念ながら絶版らしい
と、このように非常に役に立つ本なのですが、どうやら現在絶版になってしまっているようです。
中古では手に入るようですが、このような本が絶版になるのは残念です。
またリニューアルして復活してほしいものです。