クラシックギターに使われている塗装のなかには水分に弱いものがあり、肌に直接触れると塗装を痛める可能性があります。このため、夏などの半そでの衣服を着用する季節にはアームカバーを使用している方もいらっしゃることでしょう。
ただ、ギター用のアームカバーは高いうえに蒸れるものが多く、どうもいまいち。そんなときはネット包帯やチューブ包帯をアームカバーとして使うのがおすすめです。
肌で触れると痛めてしまうクラシックギターの塗装
クラシックギターは、できるだけ木の振動を妨げないために、特に高級品では繊細な塗装が使われます。
なかでも、セラック塗装は水分に弱いという特性を持っており、人間の肌から出る汗によって痛んでしまうのです(詳細は上の記事を参照)。
それでも使われているのは音が良いからなのですが、夏などの半そでを着る季節には腕の肌が直接ギターに当たり、汗で塗装を痛めることに。
ギター用のアームカバーは高い!蒸れる!
そこで使われるのがアームカバーです。
これは筒状の布で、ギターと直接あたる腕の部分につけることで、ギターに直接肌が触れないようにします。
アームカバーは現代ギターやオアシスなどから売られています。オアシスの場合はギタースリーブと呼ばれていますね。
また、あまり知られていませんが、オアシスのギタースリーブには高級版のパッド付バージョンが存在します。
パッドが入っているので、ギターと当たる部分が痛くないのがうれしいところ。
ところが、これらのアームカバーは1,500円以上もして意外に高いです。なんでただの布を筒状にしたものがそんなに高いんだ?と思わなくもないですが、数が出ないのでしょうがないところなのでしょう。
再びちなみにの話ですが、オアシスのギタースリーブは海外では通常版が1,000円ほど、パッド付が1,700円ほどで売られています。日本では高い。。。
また、これらのアームカバーは腕を締め付ける形で装着するものなので、暑いところでつけていると蒸れます。暑い季節だから半そでにしているのに、アームカバーを付けることで暑くなったのでは本末転倒です。
ネット包帯を使ってみては?
あらためてギター用アームカバーに求められる機能を考えてみると、
- 腕が直接触れない
- ずれにくい
- 通気性が良い
- 衛生的
といったところでしょう。
これらをすべて満たしてかつ安いものがあります。
それはネット包帯です。
安い!
ネット包帯はギター用アームカバーに比べて非常にリーズナブルです。
たとえば、私が買ったこちらの商品は2枚で330円:
1枚当たり165円なので、ギター用アームカバーと10倍以上違います。
ガーゼやシップの固定に使われるネット包帯
ネット包帯の代表的なものといえば、頭をけがしたときにつけるあれです。
本来は、ガーゼやシップがずれないように固定するのにつかわれます。
このため、「ずれにくい」という要件をしっかり満たしてくれます。
また、けがをしたところが何かに触れないようにする効果もあり、「腕が直接触れない」という要件も満たしてくれるでしょう。
ネットなので通気性が抜群
「ネット」包帯なので空気が抜ける穴がたくさんあり、「通気性」も抜群です。
暑い季節に使っても涼しく使えることでしょう。
抗菌防臭加工がしてあって衛生的
さらに、ネット包帯は医療用品だけに「衛生的」です。
多くの製品には抗菌防臭加工がしてあり、安心して使うことができます。
実際に購入して使ってみた
そんなネット包帯を実際に購入して使ってみました。
購入したのはこちらのテルコーポレーションの製品です。
パッケージはシンプル。小さくて軽いです。
裏には抗菌防臭加工がされていることが明記されています。
長さは18cmほどで、ギター用に使うのに十分な長さです。
腕につけるとこんな感じ。ネットなので空気穴がしっかり開いています。対応するサイズは20cm~50cmとのことなので、幅広い方が使えるでしょう。
実際に装着した状態でギターを構えるとこうなります。ギターが肌に直接触れることはありません。
おしゃれじゃなかったり、けがをしているように見えたりするが欠点
ただ、ネット包帯は見た目がおしゃれじゃないのが欠点です。
また、けがをしているのか?と思われる可能性もあります。
このため、ステージ上で使うのは気が進まないという方もいるかもしれません。
そんな方も、自宅などでの練習にはネット包帯を使い、本番では長袖もしくはアームカバーを使うことで、高価なアームカバーが痛むのを抑え、長く使うことができるでしょう。
さらに安さを求めるならチューブ包帯という手も
もっと安いものはないのか?という方にはチューブ包帯がおすすめ。
こちらは長いネット包帯がぐるぐる巻きにされているもので、自由な長さに切って使います。
お値段はたとえば5mで3,000円といったところ。
ギターと肌が触れる部分の長さは短いので、たとえば10cmに切って使うとすると、5mのものは50回使えるので、1回あたり60円ほどで使えます。
衛生面などを考えて頻繁に交換したい方や、複数人でシェアしたい方はこちらのほうが良いかもしれません。
追記:100均のアームカバーでもいい?
ツイッターで、100均でアームカバーが売ってるのでそれでもいいのでは?という指摘を受けました。
確かにそれでもいいもしれません。
あえてネット包帯の良さを挙げるなら、
- 穴が多いので通気性が良い
- 長さがギターにちょうどよく、切らずに使える
- 肌に当たるところが綿でできているので、肌にやさしい
といったところでしょうか。
100均のアームカバーも機会があれば試して比較したいと思います。
ギターを大事にしつつ快適に弾こう
繊細な塗装が使われているギターにとって、肌を直接触れないようにするのは大切。
でも、専用のアームカバーは高いうえに通気性が悪くて蒸れます。
練習のときだけでもネット包帯やチューブ包帯を使うことで、安く快適にギターが弾けるかもしれません。
ネット包帯は安いものなので、一度試してみてはいかがでしょうか。