ギターを弾く筋肉はほとんどが腕にある 筋肉の構造から考えるギターの楽で効率的な弾き方

体のケア
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ギターを長時間弾いていると腕が痛くなってくることが多いかと思います。なぜ指を使っているのに腕が?と思うかもしれませんが、実はギターを弾くための筋肉は主に腕にあります。筋肉の構造を考えるとギターの効率的な弾き方にも応用ができます。

指の関節ごとに動かす筋肉が違う

手の指を動かす筋肉はいろいろありますが、関節ごとにどの筋肉が担当しているのかが異なっています。

人差し指~小指を曲げる筋肉:

手にある筋肉腕にある筋肉
先端の関節(DIP)
真ん中の関節(PIP)
根元の関節(MP)

親指を曲げる筋肉:

手にある筋肉腕にある筋肉
先端の関節(IP)
根元の関節(MP)

人差し指~小指を延ばす筋肉:

手にある筋肉腕にある筋肉
先端の関節(DIP)
真ん中の関節(PIP)
根元の関節(MP)

親指を延ばす筋肉:

手にある筋肉腕にある筋肉
先端の関節(IP)
根元の関節(MP)

なぜ手の中にすべての筋肉がないのか?

まず、なぜ手の中にすべての筋肉がないのか?という疑問が生まれます。

これは単純で、強い力を出すには大きな筋肉が必要ですが、大きな筋肉を手の中に入れると手が大きくなって細かい動作ができなくなるためです。

このため、わざわざ腕の筋肉から長い腱といわれる頑丈な繊維製の組織を指まで伸ばし、曲げたり延ばしたりするわけです。

腕の筋肉の方がはるかに大きくて強い

そして、手の中にある筋肉よりも腕にある筋肉の方がはるかに大きくて強いです。

たとえば、これが指の先端の関節を動かす深指屈筋:

Flexor-digitorum-profundis.png
Wikipediaより

これが真ん中の関節を動かす浅指屈筋:

Musculusflexordigitorumsuperficialis.png
Wikipediaより

そしてこちらが根元の筋肉を曲げる虫様筋です:

Lumbricales (hand).png
Wikipediaより

上で示した表を参照すると、指を曲げる筋肉が主に腕にあることがわかるかと思います。これは、ものをつかむという動作が人間の生活の中で重要だったからなのでしょう。

これに対して指を伸ばす(広げる)動作はそれほど力を必要としないため手の中に納まっています。

親指と人差し指で「つまむ」筋肉は小さい

もう1つ関節以外にギターにとって重要な筋肉は親指と人差し指で「つまむ」動作を行う筋肉です。

これは、母指内転筋といわれ、人差し指と親指の間にあります。

この筋肉も手の中にあり、小さい筋肉です。

ギターを弾く動作に応用すると

これらの知識をギターを弾く動作に応用すると以下のようなことが言えるかと思います。

右手の手首は曲げない方が筋肉は動かしやすい

クラシックギターの弾き方で出てくるこの話題です。

セゴビアなどの昔の時代は手首を曲げて弦に対して指が90度の角度で交差するようにする弾き方が主流でした。

それが、最近では手首を曲げずに弾くのが主流になっています。

この理由の1つが筋肉と腱の動きです。上で書いた通り、関節を動かす筋肉は主に腕にあり、そこから指まで長い腱が張られています。手首を曲げてしまうとこの腱が曲げられてしまいます。すると抵抗が増え、動かしづらくなるわけです。

また、小指側に傾けないとともに、手のひら側、手の甲側に傾けるのもNGです。

これも腱がまっすぐになるためです。手のひら側に多少曲げることは問題ありませんが、特に手を反らせる動作はNGです。

※ここでは筋肉の動かし方に絞って効率的な弾き方を書いています。音質のはなしになるとまた別の議論が必要かと。。。

左手の手首もできるだけ傾けない方がいい

同様に、左手の手首もできるだけまっすぐな方が望ましいです。

押さえ方によってはそうもいかないことがあるかもしれませんが、少なくとも難しくない押さえ方をするときは手首ができるだけまっすぐになるようにすべきです。

このためにはネックの角度や高さを調整してちょうどいいところを見つけるといいかと思います。体格にもよるかと思いますが、あまりにもネックが寝ていると弾きづらくなるかと思います。思ったよりも高くしてみると押さえが楽になるかもしれません。

また、初心者の方で手首が反ってしまっている人もいますが、これは指を動かしづらくさせます。特に親指と他の指で弦を握りこむイメージで押さえると、親指がネックの奥に配置され、手が指板に対して低くなり、手首が反ってしまいます。

セーハの時に親指と人差し指でネックを握ってはいけない

親指と人差し指でものを挟む筋肉は手の中にあり、小さいです。

セーハの時の動作はこの動作をしているように思えますが、素直に握ると筋力不足でつらくなります。

このため、指で挟むよりも腕の重さを使って指板にぶら下がるイメージで押さえるのが望ましいです。

これをやるとギターを回転させる方向に力が発生するので、滑り止めでギターが動かないようにするのがコツです。

できるだけ自分が「楽」な弾き方で弾きたい

ギターを弾くことは楽しいことですが、それによって体に負担がかかり故障してしまったのでは本も子もありません。

「楽」に「楽しく」音楽ができるように気を付けましょう。

また、長い間あまりよろしくないフォームで弾いていると、変えた時に弾きづらく感じてしまうものです。痛みや弾きづらさを感じているようであれば思い切って変えてみるのもいいかと思います。

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