ギターを弾いているときに聞こえるのはほぼ反射音 練習する部屋や位置、向きを変えると音が良くなる

音の反射 練習
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ギターという楽器は自分が音を聞くためではなく他人に音を聞いてもらうように設計されています。音が出るサウンドホールは自分の方を向いておらず、ギタリストにはサウンドホールから出る音よりも反射してくる音が聞こえます。ということは、本番だけでなく練習の時も部屋や弾く位置、弾く向きを変えると音がよくなるということです。

自分で弾いている音が決して聞こえないクラシックギター

クラシックギターやアコースティックギターは弦を弾いた時の音が表面板を振動させ、その音がサウンドホールから出てきます。

つまり、ギターの音には指向性があり、音はギタリストから見て前へと飛んでいます

これは音楽で聴衆を楽しませるという意味では理にかなっています。一番いい音、聴かせたい音を聴いている人に届けたいというのは当たり前のことです。

一方、自分で弾いている音がどんなものか決してわからないのも事実です。録音をすることはできますが、クラシックギターの音は元も録音がしづらい楽器の一つといわれていますし、そもそも録音技術および再生技術そのものが原音を100%再現できるものではありません

このため、側面板に穴を設けて演奏者に聴衆に近い音を届ける「サウンドポート」というものがあったりします:

Mueller Soundport
This is Classic Guitarより

これによって差は縮まるかもしれませんが、やはり演奏者と聴衆では聴いている音に違いはあります。

部屋やホールの反射音を聴いている

では、ギターの演奏者は何の音を聴いているのでしょうか?

それは部屋やホールの壁および置いてあるものに当たって跳ね返ってきた反射音です。

反射音が適切にコントロールされているから気持ちいいコンサートホール

反射音はその名の通り反射して戻ってきた音です。

音は何かに当たると跳ね返ります。その時に、簡単に言うと硬いものに当たると音があまり減衰せず、柔らかいものだと音が大きく減衰します。また、当たったものの角度によって跳ね返る方向が変わります

これらを適度にコントロールし、気持ちいい音楽を聴けるようにしたのがコンサートホールです。

あまりにも反射音が大きいと音楽がぼやけてしまいますし、反射音がなさすぎると味気なくなってしまいます。これらが適切に制御されているのでホールで聴く音楽は気持ちいいのです。

自宅の部屋であっても反射音をコントロールするオーディオマニア

この反射音の制御はコンサートホールに限ったものではありません。音楽を聴くことをこよなく愛するオーディオマニアといわれる人たちも積極的に反射音のコントロールをします。

こういう人たちは音響パネルや調音パネルといわれる音を反射させたり吸収したりするものを置いて音の響きを制御します:

オーディオはほとんど反射音を聴いている」という言葉もあるくらい反射音の制御は重要です。

自宅の中でどうやっていい音でギターを演奏するか

自分の方を向いているスピーカーですらそうであれば、自分の方をサウンドホールが向いていなギターはなおさら「ギターはほとんど反射音を聴いている」と言えるかと思います。

さすがにいきなり音響パネルや調音パネルを設置するのは敷居が高いので、まずはノーコストで試せるものがいいかと思います。

ギターの練習をするときは大体決まった場所でやるかと思いますが、たまに違う場所でやると音が違うという経験をしたことがないでしょうか?限られた自宅の中でも工夫をするとより良い音で演奏ができます

  • 和室は避ける
  • カーテンや布でできた家具に向かって弾かない
  • 壁の近くで壁に向かって弾かない

和室は避ける

まず第一に和室は響きが少ないです。

床に使われている畳、窓の障子、いろいろな木でできたものが音を吸収します

このため、和室で演奏をすると味気ない感じになりがちで楽器の演奏に適していません。できれば和室で演奏や練習をするのは避けた方がいいかと思います。

カーテンや布でできた家具に向かって弾かない

また、洋室であってもカーテンや布でできた家具や音を吸収します。たとえばソファーなどです。

ギターを弾く際にこういったものに向かって弾いてしまうと、音があまり反射しないためいい音に聞こえません。

直接サウンドホールがそれらを向いていなくても、近くにあるとやはり反射音が吸収されます。

ギターを弾くときはカーテンや布でできた家具に向かって弾かない、近くで弾かない、ということを心がけるのがいいかと思います。

また、布でなくても部屋にある家具は音を吸収したり反射したりします。やはり、ものが少ないほうが理想的です。

壁の近くで壁に向かって弾かない

ホールで弾いた時に響きが気持ちいいのは、少し遅れて音が返ってくるためです。いわゆるリバーブの効果が生まれます。

これは、ギターから出た音が遠くの壁に当たって返ってくるためです。逆に、壁の近くで壁に向かって弾いてしまうと、すぐに音が返ってきてしまいます。

このため、響きを楽しみたいときはできるだけ遠い壁に向かって弾く方がいいです。可能であれば横や後ろの壁も離した方がいいかと思います。

オーディオ的には左右の距離が同じ方がいいともいわれています。

理論は理論として場所や向きを色々変えて試すと良い

この記事で紹介したものはあくまで理論です。実際にはもっといろいろな要因があるでしょうから、理論だけで最適な場所を決めるのは難しいと思います。

まずはいつも弾いている向きから向きを変えて弾いてみてください。また、いつも弾いている部屋、あるいは同じ部屋の中でも弾く場所を変えてみてください

これらをやると音の変化がわかるかと思います。少しずつ試していくと、自分にとって、また自分の家にとってどこで弾くのがいいのかがわかってくると思います。

無料で音がよくなるならそれに越したことはありません。一度試してみてはいかがでしょうか?

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