ギターを弾く上での基本技能といえば、アルペジオ、スケール、スラーといったところでしょうか。特にアルペジオとスケールは単純な技能でありながら奥が深く、これらを極めることであらゆる曲の演奏に役立ちます。全音楽譜出版社から出ている「ギタリストのための標準ギター・エチュード選集アルペジオ編/スケール編」はこれら2つの技能を徹底的に練習したい人向けの練習曲集です。
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重要な技能、なのにさらっと流されるアルペジオとスケール
アルペジオとスケールはギター教本のなかに必ず出てくる技能であり、これを避けてギターを弾くことはできません。
しかしながら、教本のなかではさらっと流される程度にしか触れられず、多くの人がすぐに曲の練習に移行してしまいます。
ところが、ギター曲の大部分はアルペジオとスケールでできていると言っても過言ではなく、これらを良い音でかつスムーズに演奏できるということは、あらゆる曲を演奏するのに役立つはずです。
それなのに教本のなかではさらっとしか触れられず、初心者を脱してからはアルペジオとスケールを練習する機会が減るのは残念なことです。
アルペジオとスケールを徹底的に練習できる「ギタリストのための標準ギター・エチュード選集アルペジオ編/スケール編」
ギター演奏の基礎力ともいうべきアルペジオとスケールを徹底的に練習したい人向けのエチュード集が全音楽府出版社から出ています。
それが、 「ギタリストのための標準ギター・エチュード選集アルペジオ編」 および 「ギタリストのための標準ギター・エチュード選集スケール編」です。
アルペジオの練習に適した練習曲とアドバイスを収録した「アルペジオ編」
「アルペジオ編」は、さまざまな作曲家が作ったエチュードのなかから、アルペジオの練習に適したものを選りすぐって収録したものです。
それぞれの練習曲にはテーマが設定されており、たとえば「和音を伴うアルペジオ」、「メロディと伴奏の引き分け」、「親指の連続使用」など、実践的な内容がそろっています。
演奏や練習のためのアドバイスも書かれており、独学での練習にも役立つでしょう。
スケールの練習曲とアドバイスを収録した「スケール編」
「スケール編」にも同じように、スケールに関する練習曲が収録されています。
スケールは単にフレットと音の関係を知るためのものではありません。左手と右手のタイミングを合わせるなどさまざまな効果があり、本来はしっかりと練習すべき基礎技能です。
このため、あのセゴビアも自らスケール練習のための楽譜を出しています。
セゴビアは「2時間の音階練習は6時間の無益な練習に匹敵する」と述べるほど、スケール練習を重視したそうです。
こちらの曲集も各曲に練習のテーマが設定されており、自分が苦手だと思うところを集中して練習できます。
また、スケールとは音階のことであり、あらゆる音楽の基本となっているものです。
スケールを制するものは音楽を制する、といっても過言ではありません。
本に準拠したCDがリリースされている
これらの曲集に含まれる曲の模範演奏が収録されたCDがリリースされています。
これらを聴きながら練習することで、より効率よく上達できるでしょう。
演奏はギタリストの益田正洋です。
また、これらのCDはAmazonのサブスク形音楽聴き放題サービスのAmazon Music Unlimitedでも聴くことができます。
Amazon Music Unlimitedでは、益田正洋や村治佳織など、さまざまなギタリストのCDが聴き放題なのでお得でおすすめです。
時間がない人には「1日に3つのフレーズを5分ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」もおすすめ
練習曲にはじっくりと取り組む必要があり、なかなか時間が取れないという人も多いかと思います。
そんな人には「1日に3つのフレーズを5分ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」というフレーズ集もおすすめです。
1つあたり5分で終えられるフレーズが270本も入っており、毎日少しずつ進めることができます。
詳細はこちらの記事を参照ください:
アルペジオとスケールの技術を高めて良い演奏を目指そう
自分はアルペジオとスケールに絶対の自信がある!と言い切れるギタリストはなかなかいないと思います。
一方で、アルペジオとスケールは単純技能であると思われがちであり、これらが苦手と思っている人も少ないでしょう。
しかしながら、アルペジオやスケールの技能は奥深く、しっかりと練習することであらゆる曲にその成果を応用可能です。
急がば回れの精神で、実はアルペジオとスケールをしっかり練習することが、弾きたかった難しい曲を弾きこなす近道かもしれません。