どんなにギターがうまい人でも最初はみな初心者です。ずっと弾き続けるのはなかなか難しいものですが、実は1年以内に90%があきらめているというデータが出てきました。
フェンダーのデータ
このデータはフェンダーのCEOであるアンディ・ムーニーによるものです。
それによると、フェンダーが1年間に販売するギターの45%は初心者が購入しているそうです。
そして、その中の90%は1年以内にギターを続けることをあきらめているのだとか。
ギターが手軽な価格なのも一因?
考えるに、ギターという楽器の値段が手軽すぎるのもその一因かな?とも思います。
たとえばピアノであれば買ったら少なくとも十万円台以上円とかはするので、なかなかやめる決心はしづらいかもしれません。
それに比べてギターは1万円以下のものもざらにあるので、すぐにやめてもそれほど懐には痛くありません。それどころか、交換しなくてはいけない弦や楽譜の値段を考えれば早めにやめた方が得かもしれません。
実際、フェンダーのCEOも新規参入者を引き付けるのに問題はないが、維持に問題があるとしています。
ギターは難しい楽器
すでに弾けている人はそれほど感じないかもしれませんが、ギターという楽器は難しい楽器です。
音を出すのに右手と左手両方使わないといけない上に、それぞれが同期していなくてはいけません。
さらに、弦を弾くだけという単純な発音方法は「弾き方」に幅を与え、美しい音を出すのが難しいです。
また、おそらく「セーハ」という普段の生活で使わない動作が1年以内の挫折を生んでいるのでしょう。
難しいからこそ素晴らし音楽を奏でることができ、それに惹かれた人がギターを始めているのでしょうが、それを維持できないのは残念です。
もっと簡単に弾ける楽器、効率的なメソッドはうまれないものか
考えてみると、すべての人が超難曲をステージの上で軽々と弾いて万雷の拍手を浴びたいわけではないと思います。ほとんどの人は趣味としてギターを家の中で弾き、たまに人前で弾く程度かと思います。
にもかかわらず、楽器はすべて同じ構造で難しい技術を要求し、教則本やメソッドもプロのギタリストを目指すような内容になっています。
発想を変えて、趣味でギターを弾く人用の楽器やメソッドがあってもいいのではないでしょうか?たとえばタッチパネルの技術と機械を使って押さえなくても触れるだけで弦を押さえられるようにするとか。
ギターは難しいという点を無視しては、いくら宣伝をしたところで、ギター人口を増やしていくことは難しい気がします。
クラシックギターの状況は不明だがさらに悪い?
この記事で紹介したデータはフェンダーのものなので、クラシックギターは含まれていないと思います。
しかしながら、感覚的には昔に比べてもそもそもクラシックギターを始める人の数が減っている気がします。
伝統を守るのも大事だと思いますが、せいぜい100年くらいしかない現代クラシックギターの構造でもあるので、人々がもっと弾きやすいものに変えていっても良いと思うのですが。
音や音量に注力するのも良いですが、普及というところを目指して何か革命がおこることを望みます。