ギターのペグ(糸巻き)には歯車が使われており、完全に密閉されていないものは定期的に注油や掃除の必要があります。でも、細かい歯車に対して、木部につかないように注油と掃除をおこなうのは意外と難しいものです。潤滑剤の定番である「クレ 5-56」にペグに使いやすいペンタイプがあるのでこれを使ってみました。
クラシックギターのメンテナンスに関する記事は以下の記事にまとめてあります:
「クレ 5-56 」や「フィニッシュライン」がおすすめのペグへの注油
ギターのペグに使うべき油としてメーカーから紹介されているのが、「クレ 5-56」と「フィニッシュライン」です。
クレ 5-56については河野ギター製作所がすすめています。
糸巻きがキーキー鳴ったり、硬くなったら糸巻きのギアに微量のシリコンオイル(KURE5-56)またはグリスを綿棒などに付け、塗布すると良いでしょう。ギアに直接吹き付けたり、多量に使用すると故障の原因となりますのでご注意下さい。
http://kohno-guitar.org/advice/index.html
また、クラシックギター用ペグの王様であるロジャースは、自転車用の潤滑剤である「フィニッシュライン」をすすめています。
さらに、現代ギター社からはペグ用の専用グリスが発売されており、これを使うのも良いでしょう。
ペグのメンテナンス等についてはこちらの記事を参照ください:
意外と塗りづらいペグの歯車
使うべき油はわかったのですが、意外とペグに対してこれらの油を塗るのは難しいです。
まず前提として、ギターの木部に油をかけてはいけません。木部に油がしみこみ、取れなくなります。
このため、スプレーを歯車に吹き付けてはならず、手軽に油を塗布することができず、ちまちまと歯車1つ1つに塗るしかありません。
また、非常に細かい歯車が使われているので、河野ギター製作所のすすめるように綿棒を使ってつけようとしても、奥までしっかり塗るのは難しく、時間がかかります。
ペグへの油の付けすぎもよくありませんが、綿棒の場合はコントロールが難しく、均一に塗るのも難しいでしょう。
クレ 5-56のペンタイプがペグに使いやすい
私もそんな悩みを長年持っていたのですが、最近この悩みを解決する商品を見つけました。
それが、「クレ 5-56 ペンタイプ」です。
先がサインペンのようになっている潤滑剤
この5-56 ペンタイプ、最大の特徴がその名の通り先端がサインペンのようになっている点です。
このため、細かいところにもかんたんに潤滑剤を塗布することができます。
使う前に先端をどこか硬いところに押しつけると、潤滑剤がペン先にまでしみこみ、使用可能になります。
潤滑液が飛び散らない
ペン先状になっているフェルト部分にしみこませた分しか潤滑液が出ないため、液が飛び散ることがありません。
このため、ギターの木部に潤滑液を付ける心配がなく、非常に安全に使えます。
これは潤滑液の常識を覆すとも言っていい特徴ではないでしょうか。
潤滑剤独特のニオイがしない
5-56などの潤滑剤というと、独特の人工的なニオイが気になるという人もいるでしょう。
ギターを弾いているときに人工的なニオイがすると気分がそがれてしまいます。
しかしながら、この5-56 ペンタイプは「無香性」です。
実際、鼻先に近づけてもほとんどニオイがせず、ペグに付けても何のニオイもしません。
これはギターを始め、体の近くで使うものに塗布するのに適した特徴といえます。
ジッパー、スマホケーブル端子、はさみやカッターの刃など応用範囲が広い
この5-56 ペンタイプの使い道として、パッケージ裏には以下のようなものが挙げられています。
- 衣類、カバン、ブーツなどのジッパーの潤滑
- スマホケーブルなどの端子の清浄
- 工具可動部の潤滑
- はさみ、カッターの刃の清浄
- クレヨンで塗った面の清浄
- etc.
とにかくさまざまな用途に使用可能であり、1本持っておいて損はない潤滑剤です。
もちろんギター関連でも、
- クリップチューナーのクリップ部分や可動部分
- 譜面台の可動部
- 足台の可動部
- カポタストの可動部
など、注油や清浄、錆落としの目的で使用できる箇所は多いと考えられます。
実際にペグの歯車に使ってみた
実際にギターのペグの歯車にクレ 5-56 ペンタイプを使ってみました。
ウォームホイールに使ってみたのが上の写真です。
サインペンのペン先のようになっているため、潤滑剤をウォームホイールに手軽に塗ることができます。
さすがに歯車の奥の方までは届きませんが、奥の方まで塗らずとも普通に塗って歯車を回せば必要なところには行き渡ると思われます。
気になるようであればペン先をもう少し細く切り取ると良いかもしれません。
ウォーム側に塗っているのが上の写真です。
こちらも奥の方までは届きませんが、きちんと塗って歯車を回せば問題ないでしょう。
ペグをきれいにする効果も大きい
5-56は潤滑剤でもありますが、汚れをとる清浄効果もあります。
このため、ペグを5-56 ペンタイプでなでると、汚れがどんどん取れます。
ちょっと塗っただけで以下のようにペン先が黒くなりました。
ペグの掃除と注油の両方ができてしまう、便利なアイテムといえます。
歯車の細かい部分までグリスアップしたいならダダリオのルブリキットがおすすめ
このペンタイプ5-56は手軽にペグの掃除と注油ができて便利なのですが、歯車の一番奥までグリスアップしようと思うとそれなりに大変です。
ペグの歯車を徹底的にグリスアップしたいなら、ダダリオのルブリキットを試してみてください。
ギターのメンテナンス用に1本持っておきたい
ギターのペグは調弦のために重要な部品であり、動きが悪くならないよう常に良い状態に保っておきたいパーツです。
しかしながら、細かい部品の上にスプレーなどで手軽に潤滑剤や清浄剤を使うことができず、メンテナンスが面倒なパーツでもあります。
「クレ 5-56 ペンタイプ」ならそんな悩みを解消し、手軽にペグのメンテナンスができそうです。
しかもお値段は300円台~400円台とお買い得。
ギター弾きならぜひ1本持っておきたい便利グッズといえるではないでしょうか。