クラシックギターを弾いているとどうしても弦は定期的に交換が必要になります。弾けば弾くほど弦を早く交換することになりどうしてもランニングコストが高くなります。弦メーカー各社はこのことをわかっていて、格安のギター弦をリリースしています。そんな安い弦をまとめました。
ほぼ唯一にして頭の痛い弦のコスト
クラシックギターは意外とランニングコストがかかりません。楽器自体はそれなりの値段がしますが、買ってしまえばあとは弦くらいです。ピアノのように定期的に調律師に調律をお願いする必要もないですし、バイオリンのように弓が必要なわけではありません。
しかしながら、弦は何年も持つものではなく、普通に弾いていて1か月ほど、よく弾くと数週間でだめになってしまいます。
できるだけ長く持ってほしいのが人情というもので、そのための方法は以前記事にしました:
ランニングコストを下げるには寿命を延ばすほかにもう1つ方法があります。それが、弦の値段を下げるというものです。
各社高級弦からリーズナブルな弦までラインナップ済み
弦メーカーもランニングコストが問題であることは認識しており、高級な弦からリーズナブルな弦までいろいろ発売しています。
高級な弦については以前、以下の記事でまとめました。
これらに対してリーズナブルな弦はどういうものなのでしょうか?
クラシックギター用の安い弦まとめ
ここから各社がリリースしているクラシックギター用のリーズナブルな弦をまとめていきます。
ちなみに、現在一般的なクラシックギター弦の1セットの価格は1200円~2000円ほどを想定しています。
FOEHN クラシックギター弦
FOEHNというメーカーのクラシックギター用の弦です。
いきなりですが、まともなブランドがついた弦の中ではこのFOEHNが最も安い弦です。
FOEHNというのはあまり聞かない名前なので調べてみたところ、どうも他の弦メーカーに対して弦をOEM生産している工場に生産を委託しているメーカーのようです。OEMとはoriginal equipment manufacturerの略で、他のメーカーからの依頼を受けてそのメーカーのブランドの製品を生産するメーカーのことです。
ちなみに、”FOEHN”は「フェーン」と読み、いわゆるフェーン現象のことです。クラシックギターだけでなく、エレキ、ベース、アコースティックギター、ウクレレ、バイオリン等、様々な弦楽器の弦を取り扱っているようです。
驚くべきはその価格で、クラシックギター弦が1セット定価540円です。安いところで買うと300円台で買えます。
上で紹介したのはノーマルテンションですが、ハイテンションのセットもあります:
なぜ安いのか詳細はわからないのですが、もしかするとOEMとして他メーカーに納入するときに品質等の基準で落とされたものを売っているのかもしれません。
百聞は一見に如かずなのでとりあえず1セット買ってみました。張ったらレビューしたいと思います。
追記: 張ってみました
Amazonベーシック 弦 クラシックギター用
巨大ネットショッピングサイトのAmazonが自社ブランドで販売しているクラシックギター弦です。
安いのに低音弦は防錆コーティング付きだったり、1年保証がついていたり、品質は高そうです。
ユーザーの評価も高く、コストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
詳細はこちらの記事を参照ください:
実際に購入してレビューしました:
ヤマハ NS110
日本が世界に誇る楽器メーカー、ヤマハの廉価版クラシックギター弦です。
ネットショップでは600円台で買うことができ、にもかかわらずMADE IN JAPANとなっています。
音が柔らかく、張りも弱いことから、初心者におすすめです。
ただ、ちょっと音色の変化に乏しいのは廉価版なので仕方ないところでしょうか。
レビューは以下の記事を参照ください。
ダダリオ スチューデント クラシック EJ27N/H (Student Classics)
ダダリオのクラシックギター弦というとプロアルテシリーズが有名ですが、プロアルテブランドではない安い弦としてスチューデントクラシックというシリーズが売られています。ノーマルテンションのEJ27NとEJ27Hの2種類です。
このEJ27N/Hですが、なぜ安いのかはスペックからはわかりません。プロアルテと同様レーザー検査したナイロンの高音弦と銀メッキされた低音弦のセットですが、これは通常のプロアルテと変わりありません。
ダダリオのページによると音はプロアルテよりも柔らかくて暖かみのある音のようです。
ちなみに定価は、通常のプロアルテ(EJ45)が3456円なのに対して2052円とかなり安いです。
使ってみたのでレビューを書きました:
ハナバッハ 500シリーズ
ハナバッハはシルバースペシャルが通常のラインナップとして、リーズナブルな弦を3種類出しています。それぞれ、500 Student Classic、600 Silver-Plated、カスタムメイドと呼ばれていますが、最も安いのは500シリーズです。
奇しくも名前がダダリオと同じですが、クラシックギターを習っていてとにかくたくさん弾きたい人のためにリーズナブルな価格で出しているシリーズになります。
価格は定価がシルバースペシャルが2700円なのに対して500シリーズは1000円とかなりリーズナブル。例によってなぜ安いのかは書かれていませんでした。パッケージはコストを抑えるために工夫しているようです。
使ってみたのでレビューしました:
ラベラ Sweetone
最近2001が日本で正式に取り扱い始められたラベラもリーズナブルな弦を出しています。
2001が定価2200円なのに対してSweetoneは定価1600円とリーズナブルです。
例によってなぜ安いのかは触れられていません。。。
サバレスにはリーズナブルな製品がない
もう1つの有名な弦メーカーといえばサバレスですが、なんとサバレスには格安弦セットがないようです。
まあ、それはそれで弦メーカーのポリシーかな、とも思います。
番外編: よくわからないメーカーの弦
ちなみに、メーカーを選ばなければさらに安い弦があります。たとえば以下の弦です:
ここまでいくと大丈夫か?という気になりますが、一応1セットでの値段のようです。私にはこれを張る勇気はありませんが。。。勇気のある方は試してみてください。
安さでいえばFOEHNが圧倒的、しばらく弾かないギターのテンション維持にも?
色々な安いクラシックギター用弦を紹介してきましたが、わかったのはFOEHNのクラシックギター用弦の安さが圧倒的だということです。
音については1セット買ったので後程レビューしようと思いますが、これほど安ければしばらく弾かないギターを保管する際にテンションを維持するために張っておくのにもいいかもしれません。
まだそれ以外の有名メーカーのリーズナブルな弦は使ったことがありませんが、どれも信頼のおけるメーカーなので、あまりにひどい品質ということはないのではないかと思います。
クラシックギターは弾いてなんぼなのでコストを気にせず好きなだけ弾きたいものです。