つけ爪の定番「アリア ネイルチップ」を試す~意外と違和感が少なくて使いやすい

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アリアのネイルチップをクラシックギター用のつけ爪として使う ギター用品
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クラシックギターといえば爪で弦を弾く奏法が一般的です。しかしながら、仕事や日常生活の制約で爪を伸ばせない、本番前に割れてしまったなど、ときには自分の爪が使えないことがあります。そんなときに役立つのがつけ爪。ネイルアート用のつけ爪が多数販売されていますが、クラシックギタリスト用にアリアが「ネイルチップ」と呼ばれる商品を販売していますので試してみました。

悩ましい「爪で弾く」という奏法

楽器にはそれぞれ演奏するための道具が存在します。

ヴァイオリンであれば弓、管楽器であればリードを使うように、現代においてはクラシックギタリストは自爪を使って演奏するのが一般的です。

この爪で弾くという奏法、コストという意味ではほうっておいても生えてくるのでほかの楽器に比べて安価といえるでしょう(ピアノや声楽はそもそも道具がいりませんが)。

一方で、弓やリードと違って簡単に交換できないのが難点です。

割れてしまったら伸びるまで待たなくてはなりませんし、仕事や日常生活の制約で満足に伸せない人もいるでしょう。

また、爪の形や硬さがギターとあっていない人もいるかと思います。加齢によって形や硬さが変わるのもやっかいです。

アコギやエレキであればピックの交換が容易ですが、何しろ身体の一部なので、爪というのはクラシックギターを弾く人にとって非常に悩ましい存在といえます。

悩み解消に「つけ爪」という選択肢

そんなクラシックギタリストの爪に対する悩みを解消する方法として「つけ爪」が存在します。

これはその名のとおり人工的な爪を指先に取り付けるものです。

人工的な爪なので常に同じ長さ、硬さで演奏可能なのがメリットであり、形や長さ調節失敗ても簡単にやり直せるのも利点といえるでしょう。

ギタリストが使うつけ爪としては大きく分けて2種類のタイプが存在しています。

1つ目は「フィンガーピック」と呼ばれるタイプのもので、指先に差し込んで使うものです:

着け外しが容易なのが特徴ですが、どちらかというと指弾きをするアコギやエレキ奏者が使っています。

もう1つは「ネイルチップ」と呼ばれるタイプです:

こちらは爪の上に貼り付けて使うタイプのものであり、ネイルアート用にさまざまな商品が販売されています。

普通の爪に近い位置、形で使えることからクラシックギター用にはこちらを使うのが一般的です。

クラシックギター専用のつけ爪「アリア ネイルチップ」

今回はそんなつけ爪のなかから、クラシックギタリスト専用に販売されている「アリア ネイルチップ」を試してみました

レビューの前にまずはその特徴をご紹介しましょう。

医療用両面テープで着け外しが簡単

ネイルアート用のネイルチップのなかには接着剤を使って固定するものがありますが、これだと着け外しが面倒な上に、自爪に悪影響を及ぼすかもしれません。

そこでアリアのネイルチップは両面テープによる接着方法を採用しています。

両面テープなので着けたり外したりが容易であり、接着剤の成分が爪に残りづらいです。

リムーバーも必要なく、瞬間接着剤を使うよりも爪の健康にはこちらのほうがよいのではないでしょうか。

これにより仕事や日常生活では外しておき、ギターを弾くときだけ装着するという使い方ができます

さらにアリアの場合はこだわりの「医療用両面テープ」を採用

爪が割れたときに一時的にネイルチップを使う場合でも、これから伸びてくる自爪への影響を最小限に抑えられそうです。

つけ爪/両面テープともサイズが豊富

つけ爪はできるだけ自分の爪の形に合ったものでないとギターが弾きづらくなってしまいます。

親指と小指の爪の大きさが全然違うのは当然として、個人間の差もかなりあるため、自分にあったものを探すのは容易ではありません。

そこでアリアのネイルチップは7種類のラインナップを用意しており、さまざまな人の爪にフィットさせることが可能です:

型番サイズ(幅)
AN-40-020.0mm
AN-40-119.0mm
AN-40-217.5mm
AN-40-317.0mm
AN-40-416.5mm
AN-40-515.0mm
AN-40-614.0mm

さらに両面テープにも5種類のラインナップを用意しています:

型番サイズ(幅)
AN-70-A17.0mm
AN-70-B13.0mm
AN-70-C11.5mm
AN-70-D10.0mm
AN-70-E9.0mm

また、自分にあったサイズがわからない方のために、すべてのサイズを少量ずつ入れたAN-40-SETとAN-70-SETを提供:

さらにポーチや爪ヤスリがセットになったANK-100を常に持っておけば、本番直前に爪が割れるなどいざというときに役立ちそうです:

アリアのネイルチップを実際に使ってみた

そんなアリアのネイルチップを実際に使ってみましたので、そのレビューをお届けしたいと思います。

購入したのは上でも紹介したAN-40-SETとAN-70-SETです:

ANK-100とも迷いましたが、爪ヤスリはすでに持っていますので、まずはお試しということで安価な上記2つを買った次第です。

全種類そろっていて自分に合ったサイズを見極められる

このセットにはつけ爪が各サイズ3個ずつ、両面テープが各サイズ1シートずつ入っています:

ネイルチップは小さいものから大きいものまでかなり多種類であり、多くの人が利用できるのではないでしょうか。

ネイルチップは透明度が高く、かつほどよい柔らかさでした。

この2つのセットを買えばアリアのネイルチップおよび両面テープを全種類試せますので、次回から必要なサイズのみ購入できるようになります。

実際に爪に当てながらサイズを選択

ネイルチップはできるだけ自爪に近いサイズのものがよいと考えられます。

長さは後から調節できますので、まずは幅が爪に近いものを実際に爪に当てて探してください:

たとえサイズ選択に失敗しても予備があるので、まずはなんとなくで決めてよいかと思います。

次に両面テープのサイズを選びます。

実は各ネイルチップと両面テープの間に推奨の組み合わせがあるので、それを参考にするとよいでしょう:

ネイルチップ両面テープ
AN-40-0AN-70-A
AN-40-1, AN-40-2AN-70-B
AN-40-3AN-70-C
AN-40-4, AN-40-5AN-70-D
AN-40-6AN-70-E

ただ、これはあくまで推奨の組み合わせであり、爪の形などによっては別のサイズのほうがよいかもしれません。

実際に爪やネイルチップに当てて確認することをお勧めします。

爪に両面テープを貼り、ネイルチップを貼る

サイズの組み合わせが決まったら、まずは爪を石けんなどでしっかりと洗いましょう。

ゴミや汚れがあると両面テープがしっかりとくっつきません。

準備ができたら爪に両面テープを貼ります:

上面を剥がすと、なかは透明です:

さらにその上からネイルチップを貼ります:

しっかりと両面テープがくっつけば透明になりますので、意外なほど違和感がないです。

ここで注意点が2つあります。

まず、両面テープはできるだけ爪の先に出ないよう余る部分を事前にカットしましょう

両面テープや爪のサイズ、そして貼り付ける位置によって粘着面が余ってしまい、それが爪の先端に出る可能性があります。

こうなると弦が両面テープに引っかかって演奏しづらい上に音にも悪いです。できれば余裕を持ってカットすることをおすすめします。

また、つけ爪を取り付ける位置を下にしすぎないようにしてください

つけ爪の端は上下左右ともそれなりに薄く、肉にあたると食い込んで痛いです。私の場合、つけ爪の下端が爪の生え際に当たってしまい、爪で弦を弾くたびに痛みを覚えました。

下端はもちろん、左右に関しても肉にあたらないようにしてください。

爪切りと爪ヤスリで長さと形を調整

ネイルチップの取り付けができたら、爪切りや爪ヤスリで長さと形を調整します。

爪ヤスリで削っている感覚は意外と爪に近く、違和感なく整形できました。

ちなみに私はこちらのクラシックギタリスト用爪ヤスリ「サウンドファイル」を使っています:

ただ、自爪がタンパク質でできているのに対しネイルチップはプラスチックですので、削りかすの処分には注意してください

特にいつも爪を削るときにごみ箱などを使っていない方は、その辺に削りかすを散らすとプラスチックごみですので問題になるかもしれません。

自分の好きなサイズと長さに整形できたら完成です。

アリア ネイルチップによるつけ爪のよいところと悪いところ

アリアのネイルチップを実際にクラシックギターの演奏に使ってみて感じた、よいところと悪いところを解説します。

意外と違和感がなくて弾きやすい

肝心の弾き心地ですが、思っていたよりもずっと爪に近く、弾きやすかったです。

さすがクラシックギター用をうたっているだけあり、ネイルチップには適度なしなりと硬さがあってこだわって素材を選んだことを感じさせます。

また、医療用両面テープの接着力も強力で、演奏中に剥がれそうになるということは一切ありませんでした

肝心の音に関しては、やはり自爪とは硬さや厚みが違うので同じにはなりません。

また、先入観もあるせいか多少プラスチック風の音がする気もしますが、決して悪くなく、爪に悩みを持っている方は思い切ってつけ爪を使うのもありだと思います。

耐久性が高い

医療用両面テープは非常に強力かつ耐久性が高く、風呂に入るくらいで取れることはありません

それでいて外すのにリムーバーが必要ということもなく、手軽に運用できます。

決して1回の演奏限定の使い捨てでないのでコストパフォーマンスが高いといえるのではないでしょうか。

付けたり外したりという使い方には向かないか?

一方、ネイルチップをギターを弾くときだけ装着し、演奏が終わったら外すという使い方はあまり簡単でないと感じました

その一番の理由が非常に強力な医療用両面テープにあります。

ネイルチップを一度装着した後で剥がすと、両面テープがさらっときれいに剥がれず、ガムのように爪とネイルチップの間を弾力を持って粘着しつづけます。

このため、一度剥がしたネイルチップをそのまま貼るとこんな状態に:

引き延ばされた両面テープがネイルチップと爪の間に挟まり、そこが動きやすくなって演奏中にネイルチップがずれるようになってしまいました。

これを防ぐには、まず、ネイルチップを剥がしたら念入りにネイルチップおよび爪に残った粘着成分を除去しなくてはなりません。これが意外と面倒です。

この結果、次に同じネイルチップを使うときは当然両面テープは新しいものを使うことになりますが、そうするとコストが気になるところ。

両面テープは実売価格で700円ほどであり、サイズにもよりますが、入っている両面テープは40枚~60枚です。

つまり1枚あたり12円~17円ほどということになり、毎日演奏すると1カ月に350円~500円ほどかかる計算に。

毎日外すなら100均などにもっと安いネイルチップ用両面テープがありますので、そちらを使ったほうがよいかもしれません。

セット買いするとサイズがわかりづらい

前述の通り、私が購入したのは全サイズがセットになった商品です。

これらのセットはサイズ選択にはよいのですが、梱包方法に問題があります。

以下の写真のようにサイズが一切区別されない状態で袋に入っているのです:

また、各ネイルチップや両面テープにサイズの表記がありません。

このため、たとえ自分にあったサイズが見つかったとしても、それがどのサイズに相当するのか自分で見極めなくてはなりません。

セットを購入したらまずはサイズの分別から始めることをおすすめします。ネイルチップは0.5mmという微妙な差のものもあるため、定規などで計測しながらの分別が必要です。

いざというときのために慣れておくのがおすすめ

この記事で紹介したように、アリアのネイルチップは爪に対して音や演奏性の違和感が少なく、安定性が高いことからクラシックギターの演奏に使いやすいつけ爪です。

ただ、初見で完璧に使いこなせるようなものではなく、しっかりとした演奏をするにはある程度使い方の慣れが必要だと思います。

本番直前に爪が割れても対処できるよう、日頃から少しずつ慣れていくのがよいのではないでしょうか。

また、日頃から爪を伸ばせない、爪の質が悪いと感じている方は思い切ってネイルチップを常用してもよいと思います。

それほど高い商品でもありませんので、話の種という意味も含めて一度試してみてはいかがでしょうか。

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