作曲家の伝記は数あれど、その経済事情に焦点を合わせた本はなかなかありません。「歴代作曲家ギャラ比べ」は有名作曲家の懐具合を中心に書かれた面白い本です。
意外と有名作曲家たちは稼いでいた
この本を読んで最初に感じたのは、意外と有名な作曲家たちは稼いでいたんだな、ということです。
作曲家というと清貧なイメージがどこかあって、稼げなくても自分の音楽を貫き通す!みたいなところがあると思っていましたが、さすがは有名作曲家たち。
もちろん、その陰には名もなき作曲家たちの屍が死屍累々と存在しているのでしょうが。。。
経済感覚が破綻しているせいで貧しい人が多い
また、稼いでいるのに経済感覚が破綻しているせいで貧しい人たちが多いというのも、有名作曲家あるあるでした。
モーツアルトなどは、「寒いけどお金がないので踊ってあったまろう」、みたいな話を聞いたことがあるのですが、実際には稼いでいたけど浪費が激しすぎて貧しかったというのが真実のようです。やっぱりどこかに秀でた人は、バランスをとるためにどこかがおかしくなるのでしょうか。
一方でロッシーニのように使うお金もすごいけど稼ぐお金もすごいという人もいるのが面白いです。
クラシック音楽好き必見の1冊
「歴代作曲家ギャラ比べ」は、有名作曲家の人生を今までとは違った角度で見せてくれるという点で画期的であり、クラシック音楽好きであれば必見の1冊です。
残念ながらクラシックギター関連の人はロドリーゴも含めて出ていません。誰か、あからさまに現代クラシックギター界の経済事情を著書にしてくれないでしょうか。