弦の評価: ノブロック レオ・ブローウェル 80周年記念限定モデル ミディアムハイテンション(Knobloch Leo Brouwer Limited Edition Strings 400LB Medium High Tension)

4.5
ノブロックのレオ・ブローウェル弦
記事内に広告が含まれています。

ノブロックは、ドイツ発祥で現在はスペインのカタルーニャ地方で生産をおこなっている弦メーカーです。日本ではあまり出回っていませんが、あのレオ・ブローウェルが愛用するなど、世界的に人気があります。そんなノブロックがレオ・ブローウェルの80歳の誕生日を記念して発売した限定弦を入手しましたのでレビューしたいと思います。

ギタリストかつギター製作家がはじめた弦メーカー

ノブロックはギタリストかつギター製作家がはじめた弦メーカーであり、世界中に愛好家がいます。詳細はこちらを参照ください:

残念ながら日本では入手性が低いですが、Strings by Mailなどでかんたんに個人輸入が可能です。

レオ・ブローウェルの80歳の誕生日を記念した限定モデル

今回レビューする弦は、作曲家でありギタリストでもあるレオ・ブローウェルの80歳の誕生日を記念したモデルです。

「Leo Brouwer」と名付けられたこの弦は、

  • 低音弦: LB BASSと呼ばれる、Actives Double Silverに対して巻線の合金を変えたもの
  • 高音弦: AT NYLONと呼ばれる、ナイロンの甘さとカーボン弦の輝きを兼ね備えたもの

を使用しています。

どちらも専用につくられたものということで、気合いが入った弦であるといえるでしょう。

豪華なパッケージ、合理的な弦の区別方法

弦のパッケージはこんな感じです:

レオ・ブローウェルの顔と左手が背景にあり、金色でロゴなどが描かれています。

しっかりとしたパッケージで、クラシックギター弦のなかでも豪華な部類に入るのではないでしょうか。

裏側には、この弦がレオ・ブローウェルの80歳の誕生日を祝うためにつくられたことと、レオ・ブローウェルによるノブロックへの賛辞が書かれています。

封を開けると、弦に関する説明が書かれています。

前述の通り、低音はLB BASS、高音はAT NYLONです。

また、2弦と5弦には端に印がつけられていることも示されています。

弦は6弦すべて1つの空気遮断パッケージに入っている方式です。

このため、2弦と5弦に色を付けて区別しているのでしょうね。

弦の区別の方法は各社違っていて、ダダリオは弦番号が書かれたシール、ラベラは弦番号が書かれたサイコロ型のプラスチックといった具合です。

アクイーラのように1まとめにしているのに何もつけてくれないメーカーもあります。

ノブロックは2弦と5弦さえわかればあとは太さでわかるだろうと、合理的な判断をしたのでしょう。

上の写真を見ると、高音弦が紫色であることに気づきます。これはなんとなく、いわゆるチタニウム弦のような気が。それであれば、ナイロンの甘さとカーボンの輝きという説明も納得です。

それにしても、「AT」は何の略なんだろう?

もう1つ特徴的だったのが、低音弦の片方の端が、金属線でループになっているという点です。

オーガスチンなどは芯線のナイロンでループがつくられていますが、巻き線でループがつくられているのは珍しいです。

これを使ってブリッジ側に止めろということなのでしょうか?

6弦や5弦はこのループが大きすぎてペグの穴に入らず、写真のように切ってしまいました。

追記:ノブロックに聞いてみたところ、このループは製造上できるものであって、弦をブリッジに取り付けるために使うべきではないそうです。

高音弦も低音弦も明るい音

実際に張ってみて音を出した感想は、高音弦も低音弦も明るい音が出るというものです。

バリバリの現代曲を作曲しているレオ・ブローウェルの名を冠した弦なので、どれくらい複雑怪奇な音が出るのだろうと思ったのですが、非常に明るくて聞きやすい音でした。

音には曇りがなく、音量も出るため、弾いていて楽しくなります

音の重みという点では劣るかもしれませんが、そういうコンセプトではないのでしょうね。

まだ張ったばかりですが、低音弦の安定は速いです。

張りはミディアムハイテンションということもあり、少し強めです。

価格は高いけど良い弦

このレオ・ブローウェル弦、Strings by Mailでは1セットあたり22.99ドルで販売されています。

日本円では2,622円であり、それなりに高級弦といえます。

同じ価格帯のものでいうと、ハナバッハのシルバー200でしょうか。

ただ、それだけコストをかけているだけあって、音は良いですし、品質も良いです。

日本では入手性が悪いのが難点ですが、レオ・ブローウェルが大好きな人や、明るい音が出る弦を探している人はぜひ試してみてください。

タイトルとURLをコピーしました